研究で頻繁に測定され、各病気と関連する酸化ストレス。糖尿病、ガン、神経変性疾患、外傷、脂肪肝炎などで酸化ストレスが上昇するとされます。今回、当ラボでよく利用するTBARS法(一部改変)を紹介します。手法は以下の論文の方法に基づいています。TBARS法については非常に有名な論文のようです。
■試薬 0.1M 酢酸緩衝液PH3.5 100ml
1. 酢酸532μlと酢酸ナトリウム無水67mgを混合し、DWにて100mlにメスアップする
■試薬 マスターmix作成
104mg SDS
121mg TBA
80 ㎎BHT + 酢酸10ml
1と2を50ml チューブに入れて34mlまでDWでメスアップ→3を500ul加える
酢酸緩衝液を8ml加える
5.3mlのDWを加える (血漿中等の液体中のTBARSを計る場合、省略→液体用マスターmix)
50℃加温して溶かす。
マスターmixの完成、-20℃で長期保存可能。-20℃から融解する場合、50℃で十分溶かす。
■200nmol/mlテトラエトキシプロパン(TEP;TBARS)標準液作成
1. TEP 2.2µl+DMSO7.8ul + DW 990µl⇒原液1ml完成
2. 原液20µl+DW 980µl⇒200nmol/ml のTEPが1ml完成→2倍希釈系列を数点作成し検量線とする。
■反応 組織の場合
組織の重量測定する
2mlマイクロチューブ(スクリューキャップ推奨)で組織1:マスターmix 9となるように比を合わせる(組織100mgの場合、マスターmix900ul、組織が100mgを大幅に超える場合は、100mg前後になるようにする)
ビーズ破砕5分
破砕液500ulを1.5mlチューブに分注する
4℃ 1h
95℃ 1h
氷上数分
12000g 10 min 4℃ 遠心 ※脂質や不純物が多い場合はブタノール/ピリジン(15:1)を等量加えボルテックス→5000RPM10分遠心する
上清100ulをブラックプレートへ
プレートシール
Ex. 532 / Em. 585nm
■反応 液体試料の場合
液体用マスターmix 400ul + 血漿等の液体サンプル100ulをボルテックスミキサーで混合する
上記組織のプロトコルの5~同様の操作をする。
反応例
右のチューブ内の反応物のように、高度の酸化ストレス下ではピンク色になります。ピンクの発色がTBARS量を反映しています。TBARSは蛍光を発するので、Ex. 532 / Em. 585nmで蛍光強度を測定する事によりTBARSの定量が可能です。
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